楽天カード滞納で一括請求が来た!放置するとどうなる?

「楽天カードから突然、一括請求の通知が届いた…」

予想外の高額な請求に、驚きと不安でいっぱいになっているのではないでしょうか。支払いが遅れていたことは分かっていても、まさか一括で請求されるとは思わず、どうすれば良いか分からずに途方に暮れているかもしれません。

ご安心ください。この記事では、楽天カードから一括請求が来た際に、今すぐ何をすべきか、そして今後どうなるのかを分かりやすく解説します。この記事を読めば、ご自身の状況を冷静に把握し、最善の解決策を見つけるための一歩を踏み出すことができるはずです。

一括請求は、決して無視してはいけない重要な通知です。しかし、適切な対応を取れば、必ず解決の道はあります。まずは落ち着いて、この記事で解説する内容を一つずつ確認していきましょう。

第1章:なぜ?楽天カードから一括請求が来る理由

そもそも、なぜ楽天カードから一括請求が来てしまったのでしょうか。その主な理由は、「期限の利益の喪失」にあります。

「期限の利益」とは?

クレジットカードの分割払いやリボ払いは、本来一括で支払うべき代金を、カード会社が立て替えてくれることで成り立っています。そして、利用者は「決められた期日まで(分割で)支払えば良い」という利益を得ています。これを「期限の利益」と呼びます。

しかし、支払いを長期間滞納すると、カード会社はこの「期限の利益」を失わせる権利を持っています。つまり、「もう分割での支払いは認めません。残っている借金を全額、今すぐ一括で返済してください」と要求できるのです。これが、一括請求の正体です。

どのくらいの滞納で一括請求になるのか?

楽天カードの規約には明確な日数が記載されているわけではありませんが、一般的には支払いを2〜3ヶ月以上滞納すると、一括請求に至る可能性が高いとされています [1]。

多くの場合、一括請求はカードの強制解約と同時に行われます。滞納が続くと、楽天カード側は「返済能力がない」と判断し、カードの利用を停止させ、最終的に強制的に解約します。その際に、未払いの利用残高すべてが一括で請求される、という流れです。

滞納期間 発生する可能性のある事態
1日〜 遅延損害金の発生、カード利用停止
数日〜1ヶ月 書面や電話での督促
2ヶ月〜 信用情報機関への事故情報登録(ブラックリスト入り)
2〜3ヶ月 カード強制解約、利用残高の一括請求

このように、一括請求は滞納が深刻な段階に至ったサインであり、迅速な対応が求められる状況と言えます。

第2章:一括請求を放置するとどうなるのか?時系列で見る最悪のシナリオ

一括請求の通知を見て、「払えないから」と放置してしまったら、事態はさらに深刻化します。ここでは、一括請求を無視し続けた場合に起こりうる事態を、時間経過とともに段階的に解説します。

【一括請求直後】遅延損害金の発生と増大

一括請求が来た時点で、すでに遅延損害金が発生しています。支払いが遅れた翌日から、年率14.6%(ショッピング利用分)または年率20%(キャッシング利用分)の遅延損害金が1日単位で加算され続けます [1]。

たとえば、ショッピング利用残高が50万円の場合、1ヶ月放置するだけで約6,000円の遅延損害金が追加されます。滞納期間が長引くほど、返済総額は雪だるま式に増えていくのです。

【一括請求後1〜2週間】督促の電話・書面が激化

一括請求を無視していると、楽天カードからの督促が頻繁になります。電話は1日に複数回かかってくることもあり、自宅や携帯電話に繰り返し着信が入ります。また、内容証明郵便などで「◯月◯日までにお支払いください」といった期限を明記した督促状が届くようになります。

この段階では、まだ楽天カードと直接交渉できる可能性が残されています。

【一括請求後1〜2ヶ月】法律事務所・債権回収会社への委託

楽天カードからの督促に応じないでいると、回収業務が法律事務所や債権回収会社(サービサー)に委託されます。「阿部東京法律事務所」や「パルティール債権回収」といった名前で通知が届くケースが多く、これは法的手続きが近づいている重要なサインです [1]。

この段階になると、督促の内容もより厳しくなり、「法的措置を検討せざるを得ません」といった文言が含まれるようになります。

【一括請求後2〜3ヶ月】信用情報への事故登録(ブラックリスト入り)

すでに滞納が2ヶ月を超えている時点で、信用情報機関に事故情報が登録されています。これが、いわゆる「ブラックリストに載る」状態です。一度登録されると、滞納を解消してから約5年間は情報が残り、以下のような深刻な影響が出ます [2]。

  • 新たなクレジットカードの作成ができない
  • 住宅ローンや自動車ローンなどの各種ローン契約が組めない
  • スマートフォンの分割購入ができない
  • 賃貸物件の保証会社審査に通らない可能性が高い

この影響は、今後5年間にわたってあなたの生活に制限を与え続けることになります。

【一括請求後3〜6ヶ月】裁判所からの「支払督促」または「訴状」の送付

滞納が3〜6ヶ月に及ぶと、カード会社は裁判所に申し立てを行い、「支払督促」や「訴状」といった法的な書類が自宅に届きます [2]。

支払督促は、裁判所が債務者に対して支払いを命じる手続きで、通常の訴訟よりも簡易的に進められます。この書類が届いてから2週間以内に「異議申立書」を提出しなければ、自動的に債権者の主張が認められ、強制執行が可能になります。

訴状が届いた場合は、正式な裁判が始まります。指定された期日に裁判所に出廷しなければ、欠席判決となり、債権者の請求が全面的に認められてしまいます。

この段階では、もはや楽天カードとの任意の交渉は難しく、法的な対応が必要になります。

【裁判後1〜2ヶ月】強制執行による財産の差し押さえ

裁判所からの支払督促や判決にも応じないと、最終的には強制執行が行われ、あなたの財産が法的に差し押さえられます。差し押さえの対象となるのは、主に以下のものです。

  • 給与: 手取り額の4分の1(手取りが44万円を超える場合は、33万円を超えた全額)が、完済まで毎月差し押さえられます。
  • 預貯金: 銀行口座の預金が、滞納額に達するまで一括で差し押さえられます。
  • 不動産や自動車: 持ち家や車などの資産が競売にかけられ、売却代金が返済に充てられます。

特に給与の差し押さえは深刻です。勤務先に裁判所から「債権差押命令」が送られるため、会社にも借金の滞納が知られてしまいます。これにより、社会的な信用を失い、職場での立場が悪くなる可能性もあります。

放置の代償:失うものの大きさ

一括請求を放置した場合、時間が経つにつれて以下のものを失っていきます。

時期 失うもの
直後〜1ヶ月 交渉の余地、時間的猶予
2〜3ヶ月 信用情報(ブラックリスト入り)、新規ローン・カード契約の可能性
3〜6ヶ月 任意解決の機会、法的措置の回避
6ヶ月以降 財産(給与・預貯金・不動産)、社会的信用、勤務先での立場

このように、一括請求の放置は、金銭的な問題だけでなく、社会生活全体に深刻かつ長期的な影響を及ぼす危険性をはらんでいます。次の章では、こうした事態を避けるための具体的な対処法を見ていきましょう。

第3章:一括請求が来たときの対処法【今すぐできること】

一括請求の通知が届いたら、パニックにならず、すぐに行動を起こすことが重要です。放置すればするほど状況は悪化します。ここでは、今すぐできる具体的な対処法を解説します。

ステップ1:楽天カードコンタクトセンターへ連絡する

何よりもまず、楽天カードコンタクトセンターに電話をかけ、支払いの意思があることを伝えてください。たとえすぐに全額を支払えなくても、「支払う意思がある」と示すことが、差し押さえなどの法的手続きを回避するための第一歩となります。

楽天カードコンタクトセンター

  • 電話番号: 0570-66-6910 (ナビダイヤル)
  • 営業時間: 9:30~17:30
  • 繋がらない場合: 092-303-7188 または 092-474-6287 (有料)

電話をかける際は、手元に楽天カードと請求書を準備しておきましょう。担当者に繋がったら、以下の点を正直に、かつ誠実に伝えてください。

  • 一括での支払いが困難であること
  • 支払う意思はあること
  • なぜ支払いが難しいのかという理由(例:急な失業、病気など)

感情的になったり、嘘をついたりするのは逆効果です。あくまでも冷静に、現状を正直に伝えることが、交渉を有利に進めるための鍵となります。

ステップ2:分割払いへの変更を交渉する

電話では、一括請求を分割払いに変更してもらえないかを交渉します。楽天カード側としても、裁判費用をかけて回収するよりは、分割でも支払ってもらえる方が望ましいと考えている場合があります。そのため、交渉に応じてもらえる可能性は十分にあります。

交渉の際は、以下のように具体的な返済計画を提示すると、より誠意が伝わりやすくなります。

「一括での支払いは難しいのですが、毎月◯万円ずつであれば、必ずお支払いできます。◯年間での分割払いに変更していただけないでしょうか。」

必ずしも希望通りの条件になるとは限りませんが、粘り強く交渉することが大切です。

ステップ3:支払期限の猶予を交渉する

「あと数日あれば給料が入る」「ボーナスでなら支払える」といった場合は、支払期限を延ばしてもらえないか交渉してみましょう。

ただ単に「待ってください」とお願いするのではなく、「◯月◯日までには必ず支払えます」と、具体的な期日と確実な支払い見込みを伝えることが重要です。場合によっては、「先に支払える分だけでも」と、一部を支払うことで残りの支払いを待ってもらう交渉も有効です [1]。

これらの交渉は、あくまでも支払いの意思があることが大前提です。連絡もせずに放置していると、交渉の余地さえなくなってしまいます。一括請求が来たら、まずは勇気を出して電話をかけることから始めましょう。

第4章:どうしても払えない場合の最終手段【債務整理】

楽天カードとの交渉も難しく、自力での返済がどうしても不可能な場合、最後の手段として「債務整理」という法的な手続きがあります。債務整理は、国が認めた借金問題の救済制度であり、任意整理、個人再生、自己破産といった方法があります。

債務整理を行うことで、借金の減額や返済計画の見直しが可能になりますが、信用情報に事故情報が登録される(ブラックリスト入り)というデメリットもあります。しかし、返済の見込みが立たない借金に苦しみ続けるよりは、生活を再建するための有効な選択肢となり得ます。

どの手続きが自分に適しているかは、借金の総額や収入、財産の状況によって異なります。まずは、無料相談を実施している弁護士や司法書士事務所に連絡し、専門家のアドバイスを受けることを強くお勧めします。

まとめ:一括請求が来たら、勇気を出して今すぐ行動を

楽天カードからの一括請求は、非常に深刻な事態です。しかし、決して打つ手がないわけではありません。最も重要なのは、問題を放置せず、すぐに行動を起こすことです。

まずは楽天カードに連絡し、支払いの意思を伝えて交渉する。それでも解決が難しい場合は、債務整理という法的な手段も視野に入れ、専門家に相談する。この一連の流れを頭に入れておくだけで、冷静に対処できるはずです。

一人で抱え込まず、勇気を出して第一歩を踏み出してください。この記事が、あなたの問題解決の助けとなれば幸いです。